「ジャンプ」を卒業した日から、男は少しずつ夢中になることを忘れていく。
毎週月曜日。学校へ行く前にコンビニへ走った。友達より先に『週刊少年ジャンプ』を読みたかったから。『ドラゴンボール』では悟空のかめはめ波を真似し、『SLAM DUNK』を読めば体育館へ走り、『幽☆遊☆白書』を見れば霊丸を撃ち、『ONE PIECE』では「仲間っていいな」と本気で思った。漫画は、ただ読むものではありませんでした。自分が主人公になれる時間でした。ページをめくるたび、「来週はどうなるんだろう」と胸が高鳴る。あの頃の一週間は、とても長く、とても楽しかった。でも、いつからでしょう。ジャンプを卒業したのではなく、「夢中になること」そのものを卒業してしまったのは。大人になると、人生は”正解探し”ばかりになる。いい大学。いい会社。結婚。住宅ローン。子どもの教育費。部下の育成。親の介護。気づけば毎日は、「間違えないための選択」の連続です。少年の頃は、「面白そうだからやってみよう」が基準だったのに。40代になる頃には、「失敗しない方を選ぼう」が当たり前になっていました。もちろん、それが大人です。家族を守る責任もあります。会社での立場もあります。だから私は、40代の男性を見ていて思うんです。一番疲れているのは、身体ではなく”感情”なんじゃないか。笑うことも減った。ドキドキすることも減った。何かに夢中になることなんて、いつ以来だろう。男は、癒やしより”心が動く瞬間”を求めている。よく「40代は癒やしを求める」と言われます。もちろん、それも間違いではありません。でも私は、それだけではないと思っています。本当に求めているのは、「まだ自分の心は動くんだ」と思える瞬間です。他愛もない会話で笑ってしまう。初めて会った女性なのに、不思議なくらい話が弾む。「もうこんな時間か。」そう思える数十分。スマホを見ることも忘れて笑っていた自分に気付く。その瞬間だけは、仕事の肩書きも、家庭での役割も忘れて、一人の”男”に戻れる。それは決して現実逃避ではありません。現実を頑張るための充電です。セクキャバは、「少年の頃のワクワク」を思い出させてくれる場所なのかもしれない。私は、セクキャバの価値は「お酒」でも「女の子」でもないと思っています。そこには、人と人が本気で笑い合える時間があります。「今日はどんな子と話せるかな。」「今日はどんな話で笑えるかな。」その少しの期待は、昔ジャンプの発売日を待っていた気持ちと、どこか似ています。もちろん漫画のように世界は救えません。ドラゴンボールのように願いも叶いません。でも、仕事だけで終わる毎日に、小さな”続きが気になる時間”は増やせます。大人になればなるほど、そんな時間は貴重になります。男は、何歳になっても主人公でいたい。会社では部長。家では父親。地域では近所のおじさん。肩書きは増えました。でも、そのどれもが「役割」です。主人公ではありません。だから、人は非日常に惹かれる。ほんの数時間だけでも、自分らしく笑える場所を探してしまう。それは弱さではありません。むしろ、毎日を必死に生きている人ほど必要な時間だと思います。あの頃の少年は、まだあなたの中で生きています。私は、大人になってからも「ワクワク」は必要だと思っています。むしろ40代だからこそ必要です。仕事ばかりの人生は、成功しても少し寂しい。家族を大切にする人生も素晴らしい。でも、自分自身を楽しませる時間まで失ってしまったら、それは少しもったいない。漫画を読んでいた少年は、今でもあなたの中にいます。ただ毎日の忙しさで、少し眠っているだけです。たまには、その少年を起こしてあげませんか。人生は、まだ続きがあります。そして、本当に面白い物語は、大人になってから始まるのかもしれません。